Ryoです。
今回は、MIX師としてはつい当たり前に使ってしまう表現で「頭出しを揃える」という言葉があります。
僕も普通にご依頼いただく方に「頭出しを揃えて音源下さいねー」って言ってしまうんですが、はじめてでこの言葉の意味が分からない方もいらっしゃるかと思いますのでご説明させていただきます。
「頭出し」とは
辞書で調べてみました。
—録音・録画したもののある部分を再生したいとき、その始まりを探し出すこと。—
僕も言葉の意味だけで考えるとよくわかりません。
わかりやすく説明すると、頭出しというのはレコーディングした音が始まる瞬間を探しておき、必要なタイミングですぐに再生できるように準備する事を言います。
元々は映像業界とかで、例えば生放送とかでVTRを流すときに、あらかじめ始まりを準備して司会とかが「VTRスタート!」とか言ったときにタイミングよく流せるようにしておくことから一般的に使われてきた言葉ですが、要は「タイミング良い感じに準備しておきましょう」って事です。
MIX師の言う「頭出しを揃えて」とは?
歌ってみたの場合は、レコーディングしたときに歌のパートとインスト音源の始まるタイミングが同じなんてことはまずないのでそれを揃えてファイルの書き出しをしてくださいというのが「頭出しを揃える」ということになります。
また特にコーラスなどは分けて録る場合が多いと思うので、その分けた録ったものを全部バラバラのファイルでもらってしまうとMIX師からしても「これどこのコーラス?」ってなってしまうので、それを(コーラスが重なってない部分は)一つのファイルとして書き出して頭出しを揃えて出してくださいっていう意味も含まれている場合が多いです。
具体的にどうやるの?
下の画像をご覧ください。
一番下のトラックがインスト音源で上の三つが歌のトラックです。
今の状態だと各トラックの波形のかたまり(リージョン)が始まっているタイミングがバラバラですよね。
これを一回頭出しを揃えるために、トラックごとに書き出していきます。
書き出したものを再度読み込んだものがこちら。
バラバラだったリージョンがインスト音源と同じタイミングで始まってることがわかります。
この状態が「頭出しが揃っている状態」と言います。
まとめ
これを踏まえてMIX師の言う「頭出しを揃える」をまとめると
①頭のタイミングを揃える
②パートごとに一つのファイルにまとめておく
って事になりますね。
これをやってあげるかどうかでMIXにかかる時間が全然違いますので、特にMIX師から指示がなかったとしても必ず頭出しは揃えてファイルを送ってあげるようにしましょう。