MIX師ってどんなことやってるの?リバーブ・ディレイ

Ryoです。

今回はリバーブとディレイについて解説します。

使うタイミングについてはMIXの流れの全体像の方で解説しておりますので、ここでは「リバーブ・ディレイとはどう言ったものか」と「どう編集すればいいか」を詳しく説明します。

リバーブ・ディレイとは?

カラオケでいう「エコー」のことですが、その筋の人はエコーという言葉はほとんど使いません。

リバーブもディレイもいわゆる「反響」という意味では一緒ですが、聞こえ方が変わります。

リバーブ

洞窟とかホールとかだと音が反響しますよね?よくお風呂場で歌うと声が反響して気持ちいいからついつい熱唱してしまうことがある(?)と思いますが、あれもいわゆるリバーブです。

ディレイ

いわゆる「やまびこ」現象です。
原音から遅れて同じ音が聞こえてくるというのがディレイです。

豆知識:

ホールとやまびこも同じ反響ですが、何が違うかと言いますと反響対象までの「距離」です。

ホールの反響は距離が近いので音が一瞬で反響し、反対の壁にも反響しの繰り返しで音が響きます。

その距離がやまびこの場合は遠いので「ヤッホー!・・・ヤッホー・・・やっほー・・・やっほぉ・・・」みたいな感じの反響のしかたをします。

リバーブ&ディレイを使う目的

世の中、反響のない音というのは基本的にはありません。

ただレコーディングの講座で申し上げた通り、声の収録時は極力反響しない環境で録るのが良しとされています。

「結局エフェクトで反響させるなら変わらないじゃん」と思うかもしれませんが、MIXにおいてリバーブ&ディレイをかけるのはコンプやEQなどのエフェクトをかけた後になります。

つまり、反響が入った音と入ってない音ではそれらのエフェクトのかかり方が変わってしまいます。

また、収録の時の反響が「良い反響」とは限りません。余計な帯域が入ってしまうとMIXが非常に難しくなってしまいます。

ですので、収録時には限りなく反響がない(ドライと言います)環境で録ってあとでかけるという流れになります。

また、「反響ないほうがいいならわざわざMIXの時にかけなくても?」と思うかもしれませんが、先ほども申し上げた通り「世の中反響のない音は存在しない」ので、リバーブやディレイをかけないままMIXをすると、声が音源と馴染まずとても素人っぽく聴こえてしまいます。

音源と馴染ませるためにもボーカルにはリバーブ&ディレイを工夫してかけていくようにしましょう。

リバーブで設定する項目

リバーブの設定も機種によって色々ありますが、最低限覚えておく項目を記載いたします。

1.Time

リバーブタイムと言ったりレングスといったり様々ですが、リバーブで響かせる長さを設定する項目です。バラード曲だと長めで、ロックの場合は短めにかける傾向があります。

2.Size

ルームサイズと言ったりしますが、これは反響させる空間の大きさです。広いほうが滑らかですが狭いほうが輪郭のある反響になります。

3.Predelay

反響が始まるまでの時間です。これを遅らせることによってディレイっぽい感じも表現することができますが、僕は基本ほぼ数値は0にしてます。

4.Dry&Wet

先ほども少し出た単語ですが「ドライ」とは「原音」のことで「ウェット」とは反響音のことを言います。

ドライをあげることで原音の音量をあげ、ウェットをあげることでリバーブの音量が上がります。

リバーブ&ディレイはセンドで送る

リバーブ&ディレイは「インサート」ではなく「センド」で送りましょう。

インサートとセンドについては詳しくは別記事で解説しますね。

それぞれリバーブ用とディレイ用のセンドのトラックを作り、ボーカルのトラックからそれぞれに送ってあげるという流れです。

Logicでは「Bus」と記載されていますが、ここでいう「Bus」「Send」「AUX」はほぼ同じ意味と捉えていただいて構いません。

例えば画像のように

1.Sendの部分でBus2に送る
2.「AUX 2」のトラックのInputを「Bus2」に設定

これでセンドが繋がります。

わざわざこんなにめんどくさいことをやる理由はいくつかあります。

センドに送ることで元のトラックの原音に影響が出ない
インサートにリバーブ&ディレイをかけてしまうと原音そのものがリバーブやディレイがかかった音に変わってしまいます。

これはドライの設定を100%にすれば解決できるのですが、もう一つ理由があります。

エフェクターを一つずつしか使わないので処理が軽くなる
リバーブとディレイは割とPCの処理を食ってしまうエフェクトなので、それをセンドで一つにまとめることによって無駄に処理をすることを防ぎます。

また、全体のリバーブ&ディレイは同じ設定にしておいたほうが馴染みやすいのでこう言った設定にします。

ただ、極端に設定を変えたいトラックはインサートで使ったりしますので、必ずセンドに送らなければいけないわけではないのですが「リバーブ&ディレイなどの空間系エフェクトは基本センド」という原則だけ覚えておいていただければ大丈夫です。

基本はプリセットから設定

リバーブやディレイに関してもほぼプリセットの設定だけで十分です。

僕がやる設定としては、ジャンルによってリバーブやディレイタイムをいじることとセンドの音量を変えてかかり具合を調整することくらいです。

リバーブの種類も「プレート」や「ホール」や「ルーム」など様々な反響の種類があったり奥が深いので、慣れてきたらそう言ったものもいじってみると楽しいと思いますよ!