MIX師ってどんなことやってるの?エフェクター解説②EQ(イコライザー)

Ryoです。

今回はイコライザー(以下EQ)について解説します。

使うタイミングについては「MIX師ってどんなことやってるの?①」で解説しておりますので、ここでは「イコライザーとはどう言ったものか」と「どう編集すればいいか」を詳しく説明します。

目次

EQとは?

音は空気の振動からなるものなので「周波数」で表現されます。

低い周波数が低音、高い周波数が高音となり、同じ音でも多くの周波数が含まれています。

EQとは、そんな音に含まれる多くの周波数成分から、指定した周波数の帯域(範囲)の音量を上げたり下げたりするための装置です。

EQを使う目的

先ほど「同じ音でもいろんな成分がある」と言いましたが、その成分の中に「余計な成分」と「良い成分」が両方とも含まれています。

EQを使う目的はその

「余計な成分の音量をカット」し
「良い成分の音量を上げる」ためのものです。

例えば歌の録音環境によっては周りの環境音による雑音が低い帯域に入り込んでしまうことがあります。

そういった雑音をローカットしてあげることによって聴きやすくしたり、逆に音がキンキンしすぎる場合にハイをカットして柔らかい音(やりすぎると音がこもる)にしてあげることもできます。

また人の声質の違いにによって前に出すぎる帯域をカットしてあげたり、良い部分の音量を引き上げてあげたりなどです。

また、楽器ごとに帯域が被ると「マスキング」と言ってかぶってる楽器の輪郭がモワっとわかりづらくなるので、それを防止するために使います。

EQの種類

EQとは大きく分けて2種類あります。

1.パラメトリックイコライザー(以下パライコ)

2.グラフィックイコライザー(以下グライコ)

何が違うかと言いますとグライコは音量を上げ下げする帯域が固定(ツマミの上の「31」とか「63」とか「16.0K」とか書いてあるのが帯域部分)なのに対し、パライコはそこを自由にいじれます。

音楽スタジオに行ったことがある人ならベースアンプやミキサーでグライコは見たことがあると思いますが、そういった機材についてて直接手でいじれるものに多いです。

ただMIXで使うのはほぼ、自由度の高いパライコなのでパライコについての説明で進めていきたいと思います。

EQで設定する項目

EQは項目自体は少なく、いじるだけならそんなに難しいものではありません。

1.Gain(ゲイン)

音量の上げ下げの項目

2.Frequency(フリケンシー)

中心になる周波数帯域の設定項目

3.Q(キュー)

中心からどの範囲まで音量を操作するかの項目

つまりFrequencyとQでどの辺の周波数の音量を上げ下げするかを設定し、Gainで音量の上げ下げをするだけです。

もう一つ覚えること(EQカーブ)

まず名称とカーブの形だけ記載しておきますね。
察しの良い方なら形を見ればどういう使い方かわかると思います。

細かい名称は覚えなくても良いです。どういう用途に使うかだけ説明しますね。

ハイパス&ローパス

ハイをパス(通す)という意味なのでローをがっつり削るためのカーブです。ローカットとも言います。逆にローパスはハイカットとも言います。

ハイパスフィルター

ローパスフィルター

人間の可聴範囲(耳で聞こえる帯域)は(個人差ありますが)大体60Hz〜16〜20KHzあたりなので、その前後のいらない帯域をがっつりカットしたり、楽器の特性上なくても良い低音高音をがっつりカットするために使います。

ハイシェルフ&ローシェルフ

シェルフフィルターは、カットまで行かずともうるさすぎる高低音を上げ下げするためのカーブです。

声の場合はハイシェルフを使う場合が多いですね。5〜10KHzあたりをハイシェルフで少し上げてあげると声がきらびやかになります。

ハイシェルフ

ローシェルフ

 

ピーク

実際このカーブを使うことが一番多いと思います。帯域をピンポイントで指定してそこを中心に音量を上げ下げするためのカーブです。

ピーク

余分な帯域を探す方法

余分な帯域を探してカットすると言っても、パッと聴いただけだとどれが余分かなんてわかりませんよね?

そう言った場合に、カットするための余分な帯域を探す方法があります。

1.まず、ピークカーブを使いQを狭めで音量を極端に上げます

2.再生して音を流します

3.音量を上げたピークをFrequencyで左右に動かしてあげます

違和感のある帯域とFrequencyがぶつかるとその違和感の音量が大きくなって強調されます。

その帯域が「余分な帯域」になりますので、その部分の音量を下げたりカットしたりするという流れです。

この「違和感」がどいういうものなのかは慣れもありますし、余分は帯域も、下げすぎると音がスカスカになってしまう場合もありますのでご注意ください。

EQをいじっていると自分の声の特徴もだんだんわかってくるので、そうなってくるとなんとなく自分の声のEQのテンプレみたいなのができてきます。

テンプレができれば、もう何も考えないで大体その辺の設定を作ってあとで調整していけばかなり時間短縮になりますので、それまではひたすら数をこなして慣れていきましょう。

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